受動喫煙防止法は存在しない?健康増進法と受動喫煙防止条例の正しい知識|禁煙エリアでたばこを吸うとどうなる?

多くのサイトで見かける受動喫煙防止法という法律は存在しません。今回は、受動喫煙防止条例と健康増進法についての正しい理解と、実際に禁煙エリアでたばこを吸ってしまった場合の罰則について紹介します。  

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喫煙者にとって、最も関心のある事柄の一つに今後の喫煙可能場所が挙げられます。多くの方は、法律によりたばこが吸える場所が制限されていることについて理解されていると思います。しかし、実際に適用される法律の正式名称や内容を細かく知っているという方は稀です。実際には、喫煙可能場所は国が推進する健康増進法という法律の中の受動喫煙防止対策によって定められています。それに従い東京都では受動喫煙防止条例が定められています。

今回は、健康増進法と受動喫煙防止条例についての正しい理解と、実際に禁煙エリアでたばこを吸ってしまった場合の罰則について紹介します。

 

 

受動喫煙防止法は存在しないので注意しましょう

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国が定める受動喫煙対策について調査しようと思ったとき、「受動喫煙防止法」や「健康増進法」「受動喫煙防止条例」など類似しているような難しい言葉が飛び交い、困惑した経験はありませんか?今回は、それぞれの用語とその内容について紹介します。

先程も紹介したように喫煙可能場所については、国が決める健康増進法の受動喫煙防止対策により定められています。そのため、一部のサイトで見かける受動喫煙防止法という名称の法律は存在しませんので、注意してください。

国が決定した「健康増進法」

喫煙可能場所や受動喫煙対策は、健康増進法によって国が定めています。

「健康増進法」について

健康増進法とは、「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定め国民の健康の増進を図るための措置を講じて、国民保健の向上を図ることを目的に定められた法律」です。*1 国民の健康増進における考え方は、1946年にWHOが提唱した「健康とは単に病気で なく、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的そして社会的に完全に良好な状態を指す」という健康の定義が根本にあります。当時の健康増進は、一次予防を意味していましたが、1970年代になると、健康増進は疾病と対比した理想的な状態個人の生活習慣の改善による健康の実現に重点をおいたものに変化しました。

*1厚生労働省「健康増進法の概要」より引用

改正健康増進法の内容

健康増進法における受動喫煙対策は、2018年7月の健康増進法改正に伴い、2018年12月までに国や地方自治体に対して受動喫煙防止措置を義務付けています。そして、受動喫煙によって健康影響が大きい子どもや患者に対して、望まない受動喫煙を無くすために学校や病院といった公共施設を2019年7月から敷地内全面禁煙としています。その後、2020年4月までには飲食店や運動施設、鉄道や船舶といった公共交通機関まで原則屋内禁煙とし、2020年4月1日までの受動喫煙対策の全面施行を目標としています。

国が主導している健康増進法における受動喫煙対策は、2020年7月に開催される東京オリンピック・パラリンピックにもつながります。日本では、分煙化や禁煙化が進められているとはいえ、今でも歩きたばこをしている人やたばこのポイ捨てが後を絶たないのが現状です。このような、たばこにおけるマナーを改善することで、オリンピック・パラリンピックに向けて多くの観光客や外国人を迎える準備をしています。

 

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地方自治体が決定する「受動喫煙防止条例」

先程紹介した、国が主導し改正された健康増進法の中の受動喫煙対策をもとに、各地の地方自治体が受動喫煙防止措置のための条例を決定します。ちなみに、法律は国が決めるものであり、条例は各地方自治体が決定することができます。そのため、受動喫煙防止”法”という法律は存在しません。

「東京都受動喫煙防止条例」の目的

地方自治体が行う受動喫煙防止措置の中でも、東京オリンピック・パラリンピックの開催都市である東京都では、2018年6月27日に他道府県に先駆けて受動喫煙防止条例が成立しました。この条例は、「都民が自らの意思で受動喫煙を避けることができる環境を整備することにより、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防ぐこと」を目的としています。

「東京都受動喫煙防止条例」の内容

条例の内容は改正健康増進法に準じ、「受動喫煙対策を推進し、健康ファーストを実現する」と掲げています。特に東京都の条例は受動喫煙における年間の死亡者数やリスクが高まる病気を提示することで、都民の理解を広く得ています。東京都が決定した受動喫煙防止条例では、2019年7月から病院・医療施設と行政機関が建物内全面禁煙を義務付け、幼稚園・小学校・中学・高校や保育所といった未成年のための学業施設では敷地内全面禁煙を2019年9月から義務付けます。2020年4月からオフィスや映画館、従業員のいる飲食店では原則禁煙です。ただし、従業員のいない飲食店では禁煙・喫煙を選択することができます。

「受動喫煙防止条例」における施設区分

東京都では、施設を第一種施設と第二種施設に分けることで、受動喫煙対策を行っています。喫煙可能場所で喫煙をする際、受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならないといった都民の責務を定め、2019年1月1日に施行されました。

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禁煙エリアでたばこを吸うとどうなる?

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日本では、今まで複数のたばこ規制が存在しました。しかし、たばこの社会的マナー思うように向上せず、歩きたばこやたばこのポイ捨ての問題は改善されていません。その理由の一つとして「喫煙の罰則が軽すぎる」ことがあげられます。 喫煙を規制する条例は全国の各自治体で制定されていますが、実際に罰則が適用されたとしてもせいぜい数千円の過料(罰金)で済んでいました。

罰金は最大5万円

当然、過料の額が大きくなるだけで社会的なマナーが良くなるわけではありませんが、海外の国と比べたときに日本の法令は実質的に効果を発揮していないと言わざるをえません。 そのため、今回の改正健康増進法と受動喫煙防止条例により、禁煙場所で喫煙をした人、もしくは喫煙を許可した事業者は最大5万円の過料の罰則が適用されます。

今後はさらに禁煙化が進む?

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2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。海外の人が日本人のたばこマナーを見たときに幻滅されないようにするため、今後は喫煙可能場所と禁煙場所の明確化とたばこ規制のさらなる厳格化が進むでしょう。